「ルートがいっぱいあって便利〜!」なんて喜んでいる看護師、ちょっと待ってください。昔の私がそうでした。
トリプルルーメンは、口が3つある中心静脈カテーテルです。同時にいろいろ入れられて、たしかに便利。でもその便利さは、管理とセットで初めて成り立ちます。管理をサボれば、ただの感染製造機になりかねません。
便利さの裏にある、現場の現実
- ポートが3つ=それだけ外界とつながる入り口が増える。触る回数、開け閉めの回数が増えるほど、菌の入るチャンスも増えます
- 使っていないルートの管理が抜けやすい。ロックのし忘れ、放置が起こりがちです
- 構造が複雑なぶん、入れ替えや接続でミスが起きやすい
3つあるということは、感染のリスクも、管理の手間も、その数だけ増えるということです。便利さと引き換えに、こちらの注意力を要求してくる管です。
一番こわいのは「どこにつながっているか」を把握せずに触ること
私がいちばんゾッとするのは、これです。どのラインがどのポートから、どこに向かっているかを分からないまま手を出すこと。
たとえば、昇圧剤の入ったラインを、メインの輸液だと思い込んで側管から急速に流してしまったら——。想像するだけで背筋が寒くなります。ラインを触る前に、これは何が、どこに、どのくらいの速さで入っている管なのか。指差しでいいから確認する。慣れてきたころほど、この一手を飛ばしがちです。
サボらないための、地味な習慣
カテーテルを入れるかどうか、いつ抜くかは医師の判断です。私たち看護師が持ち場でできるのは、日々の管理を淡々と続けることです。
- 接続部を触るときは、その都度きれいにしてから
- 使っていないルートも、決められた方法で管理し、放置しない
- どのラインが何かを、勤務交代のたびに目で追って確認する
- 刺入部の赤み・腫れ・熱感・発熱に気づいたら、医師に報告する
便利な管ほど、管理が命です。「便利〜」で終わらせず、その3倍手をかける。中心静脈カテーテルを見るたび、そう自分に言い聞かせています。
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参考文献
- 血管内留置カテーテル関連血流感染(CRBSI)予防に関する感染対策の標準的ガイドライン