ER看護師からのお願いです。
「突然の激しい頭痛」に対して、ロキソニンを飲んで寝るのは、絶対にやめてください。そのまま二度と目が覚めない可能性があります。
発症から1か月以内の死亡率、約30〜50%
脅しではなく、くも膜下出血という病気の数字です。病院にたどり着く前に亡くなる方も少なくありません。
それでも助かる人は助かる。その分かれ目のひとつが、「最初の頭痛のときに、病院に来たかどうか」です。最初の出血を乗り越えて受診できれば、治療の土俵に上がれる。家で寝てしまえば、上がれない。私たちが待合室で出会えるかどうかが、すでに勝負の一部なんです。
「バットで殴られたような痛み」とは限らない
くも膜下出血の頭痛は、よく「バットで殴られたような」と表現されます。たしかにそういう方もいます。
でも実際には、「これ、おかしいな?」程度の違和感から始まることもあります。痛みの強さだけを基準にすると、すり抜けてしまう。
目安にしてほしいのは、強さよりも「突然さ」です。いつ、何をしているときに始まったか、その瞬間を言えるような頭痛。「気づいたら痛かった」ではなく「あのとき、いきなり来た」。この始まり方をした頭痛は、痛みがそこまで強くなくても受診してください。
痛み止めと睡眠が、なぜ危ないのか
ロキソニンそのものが悪いわけではありません。怖いのは、痛み止めが「様子を見る」という選択にすり替わることです。
薬で痛みがまぎれると、受診する理由が消えてしまいます。頭の中で起きていることは、何ひとつ解決していないのに。そして眠ってしまえば、悪化しても本人は気づけないし、家族も「寝てるだけ」だと思う。発見が遅れる条件が、きれいにそろってしまうんです。
夜中に救急に来て、何もなかったら。それでいいんです、本当に。私たちは「何もなくてよかったですね」と言うために働いています。突然の頭痛は、薬を飲んで寝る前に、まず電話でも受診でもいいので医療につながってください。
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参考文献
- 救急看護領域の標準的教科書における、くも膜下出血の予後と発症様式の記載