低気圧で頭が痛い、は気のせいじゃない。
「雨の前になると決まって頭が重い」という人、外来でもよく会います。これは本人の思い込みではなくて、体の中でちゃんと起きていることです。
最初に気圧を感じ取るのは、耳の奥
気圧が下がると、それをいちばん先に拾うのは内耳、つまり耳の奥にある気圧のセンサーだと言われています。
ここが敏感な人だと、ちょっとした変化でも体が過剰に反応してしまう。センサーが揺さぶられると自律神経が乱れ、そこに脳の血管が広がって周りの神経を圧迫する。あの「雨の前のズキズキ」は、こういう流れで来ると考えられています。梅雨や台風の季節に「頭痛い」で受診する人が増えるのは、気のせいでも大げさでもありません。
でも、全部を天気のせいにはしない
ここからが、看護師として本当に伝えたいところです。
気象で説明できる頭痛は確かにあります。でも、それに慣れてしまうと「また低気圧か」で片づけるクセがつく。そのクセがいちばん怖い。天気のせいにしていい頭痛と、してはいけない頭痛が混ざっているからです。
- いつもの頭痛と、明らかに種類が違う
- 突然、殴られたように痛みがピークに達した
- これまでの人生で一番ひどい、と感じる
- 手足の動かしにくさ、ろれつの回りにくさ、強い吐き気をともなう
こういうサインがあるなら、それは天気で説明してはいけない頭痛です。低気圧のせいにして様子を見ているあいだに、手遅れになるものがあります。
「いつもの頭痛」かどうかは、本人が一番わかる
気象による頭痛そのものは、命に関わるものではありません。だからこそ、危ない頭痛を見落とさないための線引きが大事になります。
その線引きの基準は、案外シンプルです。「いつもの自分の頭痛と同じか、違うか」。同じならまだしも、明らかに違う痛みなら、天気のせいにせず受診してほしい。自分の頭痛のクセを一番知っているのは、本人ですから。
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参考文献
- 救急看護領域の標準的教科書における気象関連頭痛および危険な頭痛の鑑別に関する記載