腎臓は「沈黙の臓器」だと言われます。
はっきりした症状を出さないまま、静かに働きを落としていく。しかも、一度大きく壊れてしまうと、元通りには戻りにくい臓器です。「だるい、息苦しい」と運ばれてきた時には、すでに透析が必要なほど進んでいた――そういうケースを、何度も見てきました。だるさとして自覚できたころには、けっこう手前まで来てしまっていることがあるんです。
声を出さない臓器が、こっそり見せるサイン
沈黙の臓器とはいえ、まったくサインがないわけではありません。次のような変化、心当たりはないでしょうか。
- おしっこが泡立ち、その泡がなかなか消えない
- 夜中に何度もトイレに起きるようになった
- 足のスネを押すと、へこんだまま戻らない
- 急に血圧が高くなってきた
- ずっと体がだるい、疲れやすい
どれも、それ単体では「疲れかな」「歳のせいかな」で流してしまいがちなものばかりです。でも、こういう地味なサインが重なっているときは、腎臓が小さな声で何かを訴えているのかもしれません。
何の病気かを決めるのは、検査と医師
もちろん、これらのサインがあるから必ず腎臓が悪い、というわけではありません。むくみも頻尿も、原因はいろいろあります。どこに問題があるのかを見分けるには検査が必要で、診断をつけるのは医師の仕事です。
私が伝えたいのは、「これらが重なっていたら、一度腎臓のことも含めて診てもらう価値がありますよ」ということまで。自分で結論を出す話ではなく、受診のきっかけにしてほしい、という話です。
「年かな」で、片づけないでほしい
いちばん怖いのは、これらのサインを「年のせい」「疲れてるだけ」で全部片づけてしまうことです。沈黙の臓器は、こちらが気づいてあげないと、最後まで黙っています。
小さな違和感を拾えるかどうか。そこが、この静かな臓器と長く付き合っていくための分かれ目になります。
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参考文献
- 腎臓・救急領域における慢性腎臓病の初期症状に関する標準的な成書の記載