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その他 体験談 2026-04-20

「便器が真っ赤になった」で救急車、実は多いんです

#虚血性腸炎#血便#腹痛

救急外来に「便器が真っ赤になった」と救急車で来る患者さん、思っているより多いです。

原因のひとつが「虚血性腸炎」。大腸への血流が急に途絶えて、突然の激しい腹痛と大量の血便が出る病気です。

見た目のインパクトが強すぎるんですよね。トイレが赤く染まるわけですから。患者さんもご家族も「もう死ぬかも」という顔で運ばれてきます。付き添いの方のほうが真っ青、ということも珍しくありません。

派手さのわりに、多くは回復する

まずお伝えしたいのは、虚血性腸炎の多くは、安静と点滴で1〜2週間ほどで回復するということです。血流が一時的に足りなくなって腸の粘膜が傷んだ状態なので、腸を休ませて水分を補えば、粘膜が回復していくケースがほとんどなんです。

処置室で説明を聞いたあとの、患者さんとご家族の肩の力が抜ける瞬間。あれはこの病気ならではの光景だと思います。来たときと帰るときの表情の差がいちばん大きい疾患のひとつかもしれません。

ただし「血便=虚血性腸炎」ではない

ここからが大事なところです。この記事を読んで「血便が出ても慌てなくていいんだ」と受け取るのは、危険です。

便器が赤くなる原因は、虚血性腸炎だけではありません。中には一刻を争う出血もあるし、放っておいてはいけない病気が隠れていることもあります。どれなのかは、見た目では区別がつきません。診察と検査をして、医師が診断して、はじめて「休ませれば治るやつ」だと言えるんです。

だから結論はシンプルです。便器が真っ赤になったら、受診してください。 量が多い、腹痛が強い、フラフラする、顔色が悪い——そういうときは救急車でかまいません。「血便くらいで救急車なんて大げさかな」とためらう方がいますが、大げさではないです。私たちは、その判断で来てくれた患者さんを大げさだと思ったことは一度もありません。

「もう死ぬかも」の顔で来て、「なんだ、休めば治るのか」で帰る。その安心は、受診したからこそ手に入るものです。

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参考文献

  • 消化器・救急医学領域の標準的教科書における、虚血性腸炎の病態と経過(保存的治療で軽快する例が多いこと)の記載
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