同じ38度でも、生後3か月未満かどうかで、救急外来での私たちの動き方はがらりと変わります。
大きい子なら、40度近くあっても、水分が取れて機嫌が悪くなければ「朝まで様子を見ましょう」と話すことも多い。でも生後3か月未満で38度を超えたら、夜中でも、見た目が元気そうでも、「すぐ来てください」とお願いします。
熱の高さで線を引いているわけではない
ここ、よく誤解されるところです。39度だから危ない、38度ちょうどならまだ大丈夫、という話ではありません。
線を引いているのは月齢です。同じ体温計の数字でも、生後3か月未満の赤ちゃんとそれ以降の子どもとでは、私たちが見ているものがまったく違う。
なぜ3か月未満は特別なのか
この時期の赤ちゃんは、免疫の仕組みがまだ育ちきっていません。重い細菌感染が体の中で進んでいても、それをはね返す力も、サインとして表に出す力も弱いんです。
大きい子や大人なら、重い感染症では顔色が悪くなったり、ぐったりしたりと「見た目」に出ます。ところがこの月齢の赤ちゃんは、かなり悪くなる直前まで、普通に見えることがある。おっぱいも飲む、そこそこ寝る、あやせば反応もする。それでも中で進んでいることがある。
つまり、「見た目が元気だから大丈夫」という判断そのものが成立しない月齢なんです。だから見た目で選別せず、検査を含めてしっかり調べる。熱が出たら診察室に直行してもらう前提で、私たちは動きます。
様子を見る、という選択肢はありません
生後3か月未満で、38度以上。この2つがそろったら、迷う余地はないと思ってください。
夜中でもです。母乳やミルクの飲みがよくても、機嫌がよくてもです。「一晩寝かせて、朝いちで小児科へ」ではなく、気づいた時点で受診してください。かかりつけが閉まっている時間なら、救急外来へ。
来てみて何もなければ、それがいちばんいい夜です。「何もなくてよかったですね」で帰れる空振りを、私たちは心から歓迎します。この月齢の発熱だけは、遠慮も様子見もいりません。
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参考文献
- 小児救急領域の標準的教科書における、生後3か月未満の発熱児の評価に関する記載