熱中症って、炎天下のグラウンドで倒れるイメージ、ありませんか。
でも救急に運ばれてくる人を見ていると、実際はちょっと違います。いちばん多いのは「家の中」。畑でも工事現場でもなく、自分の部屋なんです。
「まだ大丈夫」が、いちばんあぶない
エアコンをつけずに我慢していた、というパターンが本当に多い。「電気代がもったいないから」「自分はまだ大丈夫だと思った」と。
この「まだ大丈夫」がくせ者です。熱中症は、倒れる瞬間まで自覚が薄いまま進むことがあります。特に高齢の方は、年齢とともに暑さやのどの渇きを感じにくくなるので、「暑くないから大丈夫」という本人の感覚そのものが、あてにならなくなっていく。体は限界に近づいているのに、警報が鳴らないんです。
部屋の中で起きること
締め切った部屋は、日が落ちても熱がこもります。屋外と違って、「日陰に入る」「風に当たる」という逃げ場がない。じわじわと脱水が進んで、気づいたときには自力で水を取りに立てない。屋内の熱中症は、こういう静かな進み方をします。
倒れているところを家族や訪問者が見つけて救急要請、という流れも少なくありません。発見が遅れるぶん、重くなってから運ばれてくる。屋内が「いちばん多い」だけでなく「重くなりやすい」現場でもある理由です。
家族ができるいちばんの対策
本人の「大丈夫」を判定材料にしないこと。これに尽きます。
- エアコンは「暑いと感じたら」ではなく、温度計を見て決める
- 離れて暮らす親には、暑い日に電話一本。「エアコンついてる?」と聞く
- ぐったりしている、反応がおかしい、水が飲めない——迷ったら救急要請を
「電気代がもったいない」と言われたら、救急車と入院のほうがずっと高くつきます、と返してください。冗談みたいですが、現場からの本気のお願いです。
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参考文献
- 熱中症の発生状況(屋内・高齢者)に関する救急領域の標準的教科書および公的機関の注意喚起の記載