ER看護師からのお願いです。小さなお子さんがいるご家庭は、聞いてください。
「ハムスターに噛まれたくらいで救急車?」——そう思うかもしれません。でも救急の世界では、ハムスターの咬傷からアナフィラキシーになり、心肺停止に至った症例も報告されています。
一度目より、二度目が危ない
ハムスターの唾液にはアレルギーの原因になる物質が含まれています。一度噛まれたときに体がそれを「敵」として覚えてしまうと、二度目に噛まれたときに、急激な血圧低下や呼吸困難を引き起こすことがあるんです。
つまり「前も噛まれたけど平気だったから、今回も平気」は、成り立ちません。むしろ順番は逆で、前に噛まれたことがあるからこそ、今回が危ないかもしれない。ここがこの話のいちばん大事なところです。
噛まれたあと、見てほしいところ
傷そのものは小さくても、見るべきは全身です。
- じんましんが、噛まれた場所と関係ないところにも広がっていく
- 咳が出る、ゼーゼーする、声がかすれる
- 吐く、腹痛を訴える
- 顔色が悪い、ぐったりする、呼びかけへの反応がにぶい
ひとつでもあれば、ためらわず119番してください。症状が体のあちこちに同時に出ているのは、傷の問題ではなくアレルギーが全身で動き出しているサインです。小さいお子さんは「息が苦しい」と言葉にできないことも多いので、機嫌・顔色・ぐったり感を大人が見てあげてください。
飼うな、という話ではありません
誤解しないでほしいのですが、ハムスターを手放してほしいわけではまったくないんです。かわいい家族です。私が変えてほしいのは、噛まれたあとの「たかが甘噛み」という受け流し方だけ。
何も知らずに様子を見るのと、全身のサインを知ったうえで見守るのとでは、いざというときの初動がまるで違います。「大げさかな」と迷うような状況は、だいたい相談していい状況です。迷ったら、医療の側に倒してください。
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参考文献
- ハムスター咬傷によるアナフィラキシーの症例報告(国内報告あり)
- アレルギー領域の標準的教科書におけるアナフィラキシーの初期症状の記載