普段は、えびを食べてもなんともない人が、食後に運動してアレルギー症状が出る。
救急の現場でたまに見かける話ですが、こんなことが実際に起きます。
「えびアレルギー?いや、普段は食べても大丈夫ですよ?」と、ご本人は不思議そうな顔をされます。それはそうです。食べるだけならセーフ、運動するだけでももちろんセーフ。なのに「食べる+運動」の組み合わせのときだけ、じんましんや呼吸困難が出る。
組み合わせで、体が限界を超える
このタイプは「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼ばれています。名前のとおり、特定の食べ物と運動が組み合わさったときにだけアナフィラキシーが起きる病態です。
やっかいなのは、本人がいちばん信じられないことです。「あの食材が原因かも」と思うには、いつも食べているという実績が邪魔をする。「運動のせいかも」と思うには、いつも運動しているという実績が邪魔をする。原因と症状が結びつかないまま、「たまたま体調が悪かった」で片づけられて、同じ組み合わせが繰り返される。ここが怖いところです。
思い当たる人へ
食事のあとに運動して、じんましん、息苦しさ、目の前が暗くなる感じが出たことがある。そんな経験に心当たりがあれば、「たまたま」で流さずに、アレルギーを診てもらえる医療機関で相談してください。そのとき「何を食べて、どのくらい後に、何をしていたか」をセットで伝えられると、話が早く進みます。
そして、いま症状が出ている最中の人がそばにいるなら、話は別です。広がるじんましんに加えて、息苦しさ、声のかすれ、嘔吐、ぐったりする様子があれば、ためらわず救急車を呼んでください。アナフィラキシーは進み出すと速い。様子見に向いていない症状です。
「食べても大丈夫」と「食べて動いても大丈夫」は、別の話。この一行だけでも、覚えて帰ってもらえたら嬉しいです。
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参考文献
- アレルギー領域の標準的教科書における食物依存性運動誘発アナフィラキシーの記載