大人になってから「急に」くるアレルギーが怖すぎる、と思うことがあります。
子どものころは何ともなかったのに、ある日、いつも食べていたものでじんましんが出る。喉が腫れる。本人がいちばん「なんで今さら」と戸惑っている。救急外来にいると、そういう方に時々出会います。
大人の食物アレルギーには、入り口が4つある
大人になって出てくる食物アレルギーには、よく知られたパターンがいくつかあります。
- 甲殻類・魚類:エビ、カニ、魚。大人になってからの食物アレルギーでは、いちばん多いグループとされています
- 果物・野菜(LTP関連):リンゴやモモなど。皮の成分が関わるタイプで、加熱しても壊れにくいことがあります
- 花粉・食物(PFAS):もともと花粉症のある人が、特定の果物や野菜で症状を出すもの
- ラテックス・フルーツ:ゴム手袋などのラテックスにアレルギーがある人が、バナナやキウイで反応するもの
「昔から食べていたから大丈夫」が通じないのが、大人のアレルギーの怖いところです。
「パンケーキ症候群」というやつ
もうひとつ、頭の隅に置いておきたいのが「パンケーキ症候群」です。
お好み焼き粉やホットケーキ粉を、開封したまま常温で放置する。そこにダニが湧いて、気づかずに焼いて食べる。ダニごと口に入って、アナフィラキシーを起こす——そういう経路です。ERでも見かけることがあります。
本人は「粉もの食べただけなのに」としか思っていないので、原因にたどり着くまでが大変です。粉ものは密閉して、できれば冷蔵で。開けたら早めに使い切る。予防はそこに尽きます。
現場でやること、伝えること
私たち看護師にできるのは、原因を言い当てることではありません。何をどれくらい前に食べたか、症状が出るまでの時間、以前にも似たことがなかったか。そこを丁寧に聞いて、医師に渡す。診断も治療方針も、そこから先は医師の判断です。
ただ、患者さんに「思い当たることは何もない」と言われても、大人になってからの発症はめずらしくない。その前提で話を聞けるかどうかで、拾える情報が変わります。「急に」出たように見えても、体はちゃんと理由を持っている。そう思って向き合っています。
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参考文献
- 食物アレルギー診療ガイドラインにおける成人発症の食物アレルギーおよびダニ混入食品(パンケーキ症候群)の記載