血糖値が正常でも、「命に関わる」ことがあります。
「血糖値200以下だし大丈夫」——その判断が、実は一番危ないかもしれません。いま増えている、血糖値が上がらないケトアシドーシスの話です。
血糖は「普通」のまま、体が酸に傾く
ケトアシドーシスというと、血糖値が派手に跳ね上がった状態を思い浮かべる人が多いと思います。私も新人のころはそうでした。血糖を測って、高くなければひと安心。
でも、血糖がほとんど上がらないままケトアシドーシスが進行するケースがあります。背景としてよく挙げられるのが、SGLT2阻害薬という比較的新しいタイプの糖尿病の薬です。尿から糖を出すことで血糖を下げる薬なので、血糖値は上がらない。けれど体の中ではケトン体が増えて、血液が酸性に傾いていく。「血糖は正常」という数字が、逆に目隠しになってしまうんです。
見逃さないための3つ
- 尿検査より「血中ケトン」。ケトンチェッカーで測るほうが正確です
- 血糖値にかかわらず、「吐き気・腹痛」があれば疑う
- SGLT2阻害薬を飲んでいる人は要注意。お薬手帳で必ず確認する
血糖値はあくまで入り口のひとつで、ゴールではありません。「数字は普通なのに、なんかしんどそう」。その違和感を、ケトンで確かめにいく。この一手間で見え方がまるで変わります。
看護師にできること
診断をつけるのは医師です。でも、「この方、SGLT2阻害薬を飲んでいて、吐き気と腹痛があります。ケトンはどうしますか」と一言添えられるかどうかで、見つかる速さが変わります。
血糖測定で安心して終わりにしない。お薬手帳を開いて、薬の名前まで見る。地味な動きですが、ここに落とし穴の蓋があります。明日の勤務から、意識してみてください。
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参考文献
- 糖尿病ケトアシドーシス(SGLT2阻害薬関連を含む)に関する救急領域の標準的教科書の記載