健診の心電図で「再検査」になった人、これだけは覚えておいてほしいです。
「まあ大丈夫でしょ」と放置すると、最悪の事態を招きかねない異常が、いくつかあります。ERに運ばれてくる前に、知っておいてほしい話です。
① ブルガダ型心電図
いわゆる「ぽっくり病」の背景として知られる波形です。普段はぴんぴんしている中年の男性に、比較的多いとされます。
昼間はふつうに働いていて、まさか自分の心臓に、と本人がいちばん思っている。夜間、寝ているあいだに致死的な不整脈が起こりうる、というのがこの型の怖さです。健診で指摘されたら、循環器で一度きちんと診てもらう価値があります。
② 心房細動(Af)
脈がばらばらに打つ不整脈です。それ自体で今すぐ倒れるわけではないのに、放っておけない理由があります。
心臓の中で血液がよどんで、血の塊ができやすくなる。それが脳に飛べば、脳梗塞です。心房細動は脳梗塞の大きな原因のひとつで、しかも自覚症状がないまま見つかることも少なくありません。「動悸もないし」で流してしまうのが、いちばん怖いパターンだと思っています。
③ WPW症候群
心臓の電気の通り道に、本来はない「近道」ができている状態です。この近道が、突然の激しい動悸を起こす。
多くは命に直結しませんが、条件がそろうと危険な不整脈に移行することがあります。若い人にも見つかるので、「若いから大丈夫」とは言い切れません。
「再検査」は、体からの手紙
健診の紙は、たいてい引き出しの奥に消えていきます。私も昔、自分の健診結果を平気で放置していた人間なので、強くは言えません。
でも、この3つに引っかかった紙だけは、捨てないでほしい。倒れてからERで出会うより、元気なうちに循環器の外来で会いたいです。
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参考文献
- 循環器領域の標準的教科書におけるブルガダ症候群・心房細動・WPW症候群の記載
- 各疾患に関する日本循環器学会のガイドライン