その目眩、「ただの疲れかな」で済ませると、後悔するかもしれません。
めまいは救急外来でもよくある主訴で、その多くは命に関わらないものです。でも、その中に小脳梗塞がまぎれていることがある。ここが、めまいのこわいところです。
「ただの目眩」に隠れたサイン
小脳梗塞を疑うときに、私が気にしているサインはこのあたりです。
- フラフラして、まっすぐ歩けない
- 呂律(ろれつ)が回りにくい
- 手足が思うように動かない
- 物が二重に見える
めまいそのものより、めまいに「くっついてくるもの」を見てほしい。回転する感じや気持ち悪さだけなら、まだしも。そこに、歩けない・しゃべりにくい・手足が動かしにくい・見え方がおかしい、が加わったら、色が変わります。
意識がはっきりしていても、油断しない
小脳梗塞のこわさは、意識がはっきりしていても起こる、というところにあります。
受け答えができて、顔色も悪くない。だから本人もまわりも「大丈夫そう」と思ってしまう。でも、いま挙げたサインがあるなら、意識がはっきりしていても即受診レベルです。特に、症状が「急に」始まった場合は要注意。ゆっくり出てきた不調より、あるときパッと始まった不調のほうが、血管の事故を疑う理由になります。
「様子を見る」がいちばん危ない言葉
めまいで難しいのは、たいていは様子を見て大丈夫だ、という経験則が働いてしまうところです。
新人のころの私も、「めまい=しばらく横になれば落ち着く」と思っていました。でも、歩けない・ろれつ・手足・二重に見える。このどれかが乗っているめまいは、その経験則の外にある。迷ったら、様子を見るより受診を選んでほしいです。戻せる時間には、限りがあります。
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参考文献
- 救急看護領域の標準的教科書におけるめまいの鑑別および中枢性めまい(小脳梗塞)の警告徴候に関する記載