「発熱・黄疸・お腹の右上の痛み」——この3つが揃ったら要注意です。
救急外来で「なんとなく熱っぽくて、お腹が痛い」という患者さんが、実は急性胆管炎だったということは珍しくありません。
胆管炎とはなにか
肝臓で作られた胆汁の通り道である「胆管」が、石などで詰まり、そこに細菌感染が起きた状態です。行き場を失った胆汁と菌が、圧のかかった管の中で暴れている——私はそんなイメージで捉えています。
冒頭の3つ(発熱・黄疸・右上腹部の痛み)は、教科書で「シャルコーの三徴」と呼ばれる古典的な組み合わせです。ただ、現実には3つきれいに揃わないことも多い。だからこそ「なんとなく熱っぽい+お腹が痛い」の段階で、頭の隅に置いておく価値があります。
怖いのは「見た目に軽そう」なとき
胆管炎には、軽症・中等症・重症の3段階のグレードがあります。怖いのは、見た目は軽そうなのにグレードが高い場合があること。重症になると、血圧や意識、腎臓など、胆管から離れた臓器にまで障害が出てきます。
圧のかかった管の中の感染は、菌が血流に乗りやすく、進むときは一気に進む。「お腹の調子が悪いだけ」と後回しにしてはいけない理由が、ここにあります。
現場で見ているところ
看護師としては、腹痛と発熱の患者さんが来たら、白目や皮膚の黄色み(黄疸)を意識して見るようにしています。照明によっては見落としやすいので、なるべく明るいところで。それから、見た目の元気さで評価を緩めないこと。バイタルの変化や、受け答えのぼんやり感があれば、すぐ医師に報告します。
一般の方へ
熱があって、お腹の右上が痛くて、なんだか白目や肌が黄色い気がする。この組み合わせに気づいたら、様子見をせずに受診してください。
「揃ったら要注意」は、「揃うまで待て」ではありません。3つ目が揃う前に来てもらって、まったく構わないんです。
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参考文献
- 急性胆管炎の診断・重症度分類に関する救急領域の標準的教科書の記載