「お腹が痛いけど、一晩寝れば治るかな…」
その判断、ER看護師から見るとめちゃくちゃ危ないことがあります。腹痛は、市販薬を飲んで横になれば治るものも多い。だからこそ、みんな「様子見」に流れやすい。でも、その一晩で取り返しがつかなくなる種類の腹痛が、たしかにあるんです。
様子を見ずに受診してほしい、3つのサイン
とくに次の3つは、心当たりがあれば「一晩」を待たずに受診してほしい合図です。
- 歩くと、おなかに響く――腹膜炎のサインのことがあります。振動が伝わるだけで痛む状態は、おなかの中で炎症が広がりかけているのかもしれません
- 右下腹部を、手を離す瞬間に痛む――虫垂炎(いわゆる盲腸)でよく見られる痛み方です。押したときより、離したときのほうが痛い、というのが目印
- 冷や汗をともなう激痛――血管や臓器の破裂など、一刻を争う事態のサインのことがあります
もちろん、これらがあるから必ず重い病気、というわけではありません。診断をつけるのは医師の仕事です。ただ、この3つは「様子見していい腹痛」と「急いだほうがいい腹痛」を分ける、分かりやすい目印になります。
腹痛は、内科だけの話じゃない
見落とされやすいのが、腹痛の裏に「手術が必要な病気」が隠れていることがある、という点です。胃腸炎のような内科の病気ばかりではなく、外科の出番になるケースが混じっている。
痛みの強さだけでは、どちらなのか外からは分かりません。だから、「痛いけど動けるから大丈夫」と自己判断で時間を置くのが、いちばん怖い。時間が経つほど、外科の病気は悪いほうへ進むことがあります。
迷ったら、待たずに来てほしい
一晩寝て治る腹痛も、確かにたくさんあります。でも、上の3つのサインが出ているときは、その賭けに乗らないでほしい。
「大げさかな」と思うくらいで、ちょうどいいです。空振りなら、それがいちばんいい結果なんですから。
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参考文献
- 救急・外科領域における急性腹症の初期評価に関する標準的な成書の記載