急変の現場で「何からすればいいかわからない」。そう固まってしまったら、この5文字を思い出してください。
ER看護師が常に頭に置いている『ABCDEアセスメント』です。これさえ守れば、完璧とはいかなくても、大きなミスは防げる。慌てている自分に順番を思い出させる、そういう道具です。
まず、上から順にたどる
- A(気道):声は出ますか
- B(呼吸):呼吸の速さは。胸は上がっていますか
- C(循環):脈は触れますか。手足は冷たくないですか
- D(意識):呼びかけに反応はありますか
- E(露出):熱は。外傷や発疹は隠れていませんか
覚えることはたくさんありません。この5つを、いつも同じ順で、上からたどるだけです。
大事なのは「Aから順番に」
このアセスメントの肝は、中身より順番のほうにあります。かならずAから順に対処する。ここだけは崩さない。
たとえば、血圧(C)がまだ測れていなくても、喉が詰まっている(A)なら、そっちが先です。気道がふさがっていたら、そのあとの呼吸も循環も成り立たないからです。上にあるものほど、崩れると早く命に直結する。だから「全部そろえてから考える」ではなく、「上から見て、引っかかったところでいったん止まって手を打つ」。この割り切りが、パニックの中で足を動かすコツです。
順番があると、慌てても動ける
新人のころの私は、急変と聞くと頭が真っ白になって、何もかも一度にやろうとして、結局どれも中途半端になっていました。血圧を測りかけて、点滴を探しに行って、また戻ってきて——空回りです。
助けてくれたのが、この「順番」でした。順番が決まっていれば、頭が真っ白でも足だけは動く。Aを確認して、引っかかったら人を呼ぶ。次にB、C。迷ったら上に戻る。何をすればいいかわからない、が、いま何をすべきかがひとつに絞られる、に変わる。急変で慌てるのは当たり前です。だからこそ、慌てても動ける手すりを、体にしみこませておきたいんです。
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参考文献
- 救急看護領域の標準的教科書におけるABCDEアプローチ(初期評価と優先順位)の記載