酔って帰ってきて、カップ焼きそばの湯切りに失敗、自分の手にぶちまける。救急あるあるのひとつです。アカウント名が「こわい二日酔い」の私に、酔った失敗を責める資格はないので、そこは責めません。
で、やけどで一番もったいないのが「冷やし方」なんです。やけどは最初の数分の対応で、その後の治りが変わります。
氷をベタっと当てるのは、逆効果になることがある
痛いから、とにかく冷たいものを。その気持ちで氷や保冷剤を直接ベタっと当てる人がいるんですが、あれは逆効果になることがあります。
やけどした皮膚は、すでにダメージを受けて弱っています。そこに氷を直接押し当てると、今度は冷たさで組織を痛めつけることになりかねない。血流も締まってしまいます。熱でやられた場所を、追加で冷気でやる。もったいないの極みです。
冷やすなら、水道の流水です。蛇口から出る水を、痛みが落ち着くまで患部に流し続けてください。服の上から熱湯をかぶった場合は、無理に脱がず、服の上からそのまま流水をかけて大丈夫です。水ぶくれができていたら、つぶさないでください。
アロエと味噌は、本当にやめてほしい
民間療法でアロエや味噌を塗る方、いまだにいらっしゃいます。本当にやめてほしいです。
傷になった皮膚は、体を守るバリアが壊れた状態です。そこに食品や植物を塗り込むのは、無防備な傷口に雑菌を招き入れるようなもの。しかも受診したとき、私たちはまずそれを洗い落とすところから始めることになります。塗った分だけ、処置は遅れます。
「昔からそうしてきた」という声も分かるんですが、昔より確実に良くなったのが水道と医療です。塗らずに、流して、来てください。
冷やしたあと、受診の目安
流水で冷やして赤みだけなら、様子を見られることも多いです。ただ、水ぶくれができた、範囲が広い、顔や手や関節のやけど、痛みがむしろ感じにくい(深いやけどの可能性があります)。こういうときは受診してください。迷ったら、受診する側に倒してもらって構いません。
深夜の救急外来で、焼きそばの犠牲者を手当てしながらこの話をするのが、私の密かな定番になっています。湯切りは、素面でやりましょう。
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参考文献
- 救急医学領域の標準的教科書における熱傷の初期対応(流水冷却)の記載