「熱中症の重症度って、Ⅲ度までですよね?」って若い子に聞かれました。
数年前までなら正解です。でも2024年のガイドラインから、Ⅲ度の上にⅣ度ができています。私も最初に聞いたときは「上、作ったんだ」と思いました。作らざるを得ないくらい、重い熱中症が増えたということでもあります。
Ⅳ度とはどういう状態か
目安はこの2つです。
- 深部体温40℃以上
- GCS(意識レベル)8以下
体温を測って40℃を超えていて、呼びかけにほとんど反応がない。いわゆる「もう体が自力で冷ますのを諦めた」状態です。汗をかいて放熱する仕組みが破綻していて、放っておけば臓器が上から順に壊れていきます。
疑った瞬間から、総力戦
救急でこれが疑われた瞬間、こちらは輸液と並行で全身を冷やしにかかります。
- 蒸散冷却:体に霧吹きで水をかけて、扇風機で一気に気化させる
- 氷嚢:首、わきの下、足の付け根。太い血管の上を狙う
- 冷水浸漬:条件が合えば、体ごと冷水に浸ける
どれか1つではなく、使えるものを同時に使います。熱中症の予後は「どれだけ早く深部体温を下げられたか」でかなり決まるので、冷却の開始が数分遅れることが、そのまま後遺症につながりかねません。
現場のナースに伝えたいこと
Ⅳ度という区分ができた意味は、「重症の中でも、命に直結する一段がある」を全員で共有することだと思っています。夏の救急外来で「体温40℃超え+意識が悪い」ときたら、モニターより先に冷却の準備。氷嚢の場所と霧吹きの置き場、自分の部署のどこにあるか、夏が来る前に一度確認しておいてほしいです。
私は毎年、初夏の夜勤前にこっそり確認しています。新人のころ、いざというとき氷嚢の在処がわからなくて右往左往した人間なので。
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参考文献
- 日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2024』